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コトネのここだけのお話

アマノコトネのWebだけで公開されるお話です。今のところ出版予定がない作品となりますので、コトネワールドをお楽しみください。
 

あなたが見えない存在と言う世界を信じる人ならば龍は今でも存在するものです。

むかしむかし、この地球に人間と言うものが見当たらない遠い昔のお話です。

宇宙のかなたの地球に似た星の一つが星の生命を終え、跡形もなく爆発しました。

この爆風に耐え、吹き飛ばされたエネルギーの塊がこの太陽系までやってきたのです。

このエネルギーはどうにかこの地球と言う星にたどり着きました。

水があるこの星をこのエネルギーは大変気に入りました。

手ごろな洞窟を見つけると、旅の疲れから深い眠りにつきました。

エネルギー体の中には小さな子供が入っていました。

エネルギー体と子供は少しずつ地球の環境になれながら覚醒の時を迎えていったのです。

この子が目を覚ました時、このエネルギー体は大きな肉体を持って目覚めました。

彼の出す波動は昔のエネルギーのままでしたから、

すぐにその子は自分を守っていてくれた大事な友達であることを悟りました。

彼らが目覚めたころの地球は火山が活発化しあちこちが火を噴いておりました。

地球の環境に慣れ、肉体を得た彼は昔のまま空も飛べましたし、海にも潜れました。

その子とエネルギー体は、二人とも単体で家族を生み出すことが出来る能力が備わっていました。

二人は寂しかったので、少しずつ仲間を増やしていきました。



いつも二人はこの地球を空の高い所からながめ、星の成長を見守りました。

ある時、大きな火山が爆発し真っ赤に燃えたマグマが吹き出し、

それは物凄いエネルギーをもって近辺の山々を火の海に変えながら燃えさかっておりました。

あまりの美しさにその子は「あそこに降りてみよう」と提案しました。

二人は楽しそうにその炎の中に突っ込んで行きました。

二人には誤算がありました。マグマに含まれる毒が生身の体にどれほどのダメージを

与えるかという事、生身の身体は燃えてしまうということを。

近くによって初めてその事に気が付いたのですがもうすでに遅かったのです。

背中に乗るその子を一瞬でなるべく遠くへ放り出すだけが精一杯でした。

燃えていく姿は大きく悲しげで最後の叫び声に大切な友達を死なせてしまったことに気が付きました。

その場を動けず、泣きはらすその子を懐かしいエネルギーが包み込みました。

姿は見えなくてもそれが彼だということはすぐにわかりました。

でも、もう会話をすることもできません。

その子はそれから全てを一人で決めて生きていかなければならなくなりました。

しかしその子が亡くなるまでそのエネルギーは、いつまでも供に在ったそうです。

 

人々は人の始祖を救った神としてそのエネルギー体の一族を龍と呼び、恐れ敬ってきました。

もちろん彼の一族が滅び去り、その全てがエネルギー体となっても、

今でも自然の一部となって私達を守り続けてくれているのかもしれません。

龍は人の魂を食べるなど悪しき存在として捉えられることが多いのですが、

それは自然をないがしろにし、地球を破壊し続ける人間たちを見捨てたからです。

人間はとても自分勝手な生き物ですね。

自分に都合が悪い相手はすべて悪者に変えてしまうのですから・・・。

また龍と人は仲良くなれるのでしょうか?それは皆さんのお心次第です。

 

etc. 見える皆さん調子に乗って龍に手を出すと食べられちゃいますよ。気をつけて。

島には色々な昔話が残されている。島の人達は語りたがらない話がある。

ばぁちゃんは伊豆七島のとある島のお坊様の娘さんで、昔父親から聞いた話を静かに話始めた。

 

昔々、江戸時代の話。ここ伊豆七島は八丈島に罪人を流すための中継地点とされ島々の入り江には護送船の発着する入り江や、物資を八丈に運ぶための運搬船を寄港させる港として栄えたという。

島の人たちは島から離れることもなく、青い海と、白い砂浜、豊富な漁業に従事して静かに暮らしていた。

 

さて、伊豆七島のとある島に住む女が流人との間に作った子がおった。彼は親の性か子の性かとんでもない子供だった。赤子の頃から母の乳房を噛みちぎったり、幼少の時期は村のはじき者達の中で育ち悪さを重ねたり、成人した彼は体が大きく乱暴者だったので島の者達は接点を持たないように努めていた。

ある日、母親はそんな子供を改心させるためにお寺に預けることにした。自分も改心したいと願った若者はお寺の門をくぐり仏門に帰依した。

しかし昔の癖がそう簡単に消えるわけもなく、坊主の法衣を身にまとってはいるが結局悪さばかりするので、島民の彼に対する態度は一向に変わることはなかった。島民は彼を「はじき坊主」と呼んだ

 

当時、伊豆諸島は韮山代官所の管轄下にあり、寛永5年に島に赴任した悪代官、豊島忠松(とよしまただまつ)が島民たちを大変苦しめていた。

その年、代官が大島から自分達の島に視察にやってくるという噂に島民は皆ピリピリしていた。

悪代官が大島から伊豆七島に巡回したら、税の取立てが厳しくなり島民の生活は今よりも苦しくなると島民達は寄ると触るとこの話でもちきりだった。

なんとか島民達に受け入れてもらいたかった「はじき坊主」はこの話を耳にし、仲間のはじき者たちを集めた。

「みんな、良く聞け。罪人の子として生まれた俺達が島に受け入れられる機会がやっと来たぞ。

悪代官を懲らしめて、島民達の生活を守るのだ。きっと皆喜んで俺達を迎え入れてくれるはずだ」と

彼と同じ境遇や彼に同情する者、彼と共に悪さを重ねてきた伊豆七島の25人の若者達が彼に賛同した。

島民達も成功するかもわからないし、ごろつきが死んでも罰せられても自分達には関係ない。逆に悪代官でも、彼らでもいなくなれば一石二鳥ではないかと彼らに賛成し、成功の暁には各島に匿うと約束した。

 

しばらくすると悪代官忠松が彼の島に到着した。すると彼は人のよさそうな坊主のフリをして忠松に近づくと

わざと海が荒れる日を選び、船を出すように勧めた。まんまと罠にはまった忠松は勇士達に船の栓を抜かれて海の藻屑と消え、帰らぬ人となった。

意気揚々と島に帰った若者たちは、事件の巻き添えを恐れた島民達によって賛成をしたことがお上に知られたくないと口封じに袋叩きにされ一人残らず殺されてしまった。

更に遺体はバラバラにされて海に流された。この遺体はそれぞれの生まれ故郷の島に流れ着いたという。

その遺体はどんなに流しても必ず生まれ故郷の島に帰ってきたという。

 

それからである、1月24日には「海難法師」という物の怪が伊豆七島に姿を現すようになったのは。

島民達に騙され裏切られ、この世に恨みを残して死んだ怨霊が島々を巡るのだと。

島民は今でもこの罪を恐れて、門口に籠をかぶせ雨戸に柊やトベラのギザギザした葉を刺し厄除けをし、海難法師に出会ってしまわないようにと夜に外を出歩くことも、ましてや戸外の便所に行くことすら恐れた。

 

その日に若い漁師が親の言うことを聞かず魚の群れている入り江で網をかけた。若い漁師が夜中に網を見に行くと「海難法師」に出会ってしまったという。あまりの恐ろしさに家に飛んで帰って布団に包まり、なんとかその夜をやり過ごしたが、それから毎晩「海難法師」の亡霊に悩まされるようになったそうです。

さらには迷信だと信じず、その日禁忌を破った島民は大怪我をしたり、精神病院に入院したり、不慮の死を遂げたりしているということです。

それからというもの1月24日の夜に限り、伊豆七島では野外に出てはいけない日として、今でも島民は頑なに守り続けているのだそうです。島民は彼らの魂を慰めるため祠を建てて祈り続けているそうです。

 

ばぁちゃんは今でも「はじき坊主」たちのために懺悔し祈っているそうだが、海難事故で亡くなる人が後を絶たないので、「海難法師」は今でも増え続けているといっておられました。

彼らは罪深き人間や可哀想な人間を引き込み仲間にするそうです。傷心で海に行かれると連れ込まれるかもしれないから皆さんもご注意をとのことです。

 

嘘か真かそれは島民だけが知っている人間の本性を垣間見るようなむかしむかしの悲しくも恐ろしいお話。

 

みなさん。もういくつ寝るとお正月。

もうすぐお正月になります。皆さんはお正月の神様がいることをご存知ですか?

知らない方がたくさんいらっしゃるようなので

今回はお正月の神様についてお話しましょう。

大きなお顔に金色の髪髭でまるでお正月に昇る初日のようなとても美しい神様です。

お正月は一年の節目、新しい年をお祝いする日です。

 

12月になり、去る年から行く年へと駆け足で時間が過ぎていく頃、

一人のみすぼらしい老神がそぉっと現れます。

とても貧相な神様で姿が見える人に貧乏神と間違われて追い払われることもしばしばあります。

町の中をふらふらと歩き回り、最近の信仰の薄れた人々の文句をぶつぶつとつぶやいて歩きます。

31日には近くの神社の小さな東を向いた大歳神を祭った祠にお入りになります。

だんだんと人の波が増え神社の中は新しい年を迎えようと集まった人たちでごった返す頃、

みすぼらしい神様は横になり白い息をすうっと吐き出すとそのまま息をひきとります。

そして人々は新しい年を高らかに喜び神社は初詣の波でごっちゃになります。

だんだん空がしらけ始め、初日の出が顔を出すとその光がまっすぐに貧相な神様に伸びていきます。

すると息を引き取った神様の体がだんだんと膨らみぴかぴかと光り始めます。

神様が寝ていたところから、大きな光と共にそれはそれは美しい金色の神様が生まれます。

「ああ。良く寝たな。さて参ろうか!」

そういうと美しい金色の神様は奉納された地酒を手に神社をあとにします。

 

「五穀豊穣。五穀豊穣。福寿来復。福寿来復」と門松のある家に入っていきます。

そこの家は障子が破れホコリが立っていました。

するとニコニコ顔ですぐに出てくると次の家に向かいました。

次の家には鏡餅がありませんでした。

するとまたニコニコ顔ですぐに出てくると次の家に向かいました。

次の家には子供達が大笑いしながら福笑いをしていました。

すると、どっかとこたつに腰を下ろすとそこにあった御節をつまみました。

おいしそうな御節は全てお取寄せの出来合い御節でした。

するとまたニコニコ顔ですぐに出てくると次の家に向かいました。

彼が歩くたびに金色の光の粒がはじけ道に広がっていきます。

次の家は見るからに貧しそうな家ですが小さな松飾がしてありました。

家に入ると神棚に丸もちが供えてあり、食卓の上にお重に入ったおいしそうな御節がおいてありました。

ふと見ると隣の部屋で家族全員そろってすごろく大会をしていました。

彼はうれしそうにその輪の中でくるくると踊り金色の光の粒をその家族に注ぎました。

そして家族が食卓に着くと父親が子供達にお年玉を配りました。

たくさん入っていないお年玉でも子供達は大喜びで小躍りしました。

すると彼も一緒に小躍りしました。すると呼び鈴が鳴りお客様がご挨拶にいらっしゃいました。

「いやぁ君の家は本当に綺麗だね。子供達も素直でとてもよい。子供達にお年玉をあげなくてはね」

とお客様は大変うれしそう。彼はそのお客様にも金色の粒をまきます。

すると次々にお客さんがやってきます。

いつの間にかたくさんの人がその家に集まり、たくさんの笑顔に包まれました。

そうして三が日彼はその家で金色の粒を撒きながらニコニコ過ごしました。

3日目の朝、彼は今までで一番大きな金色の塊を家に残しニコニコ顔で去っていきました。

4日目の朝、神棚の丸もちをお父さんが取り出し水につけて水餅にしようとすると、

丸もちの端が少しかけていました。

「ああ!!今年はお正月さんが家にいらっしゃった。ありがたい。ありがたい」

とお父さんは言って喜びました。

そして家中のお正月飾りを集め15日のどんど焼きで焼きました。

「とんど様、お正月様、大歳神様、今年は当家に来ていただいてありがとうございます」

と手を合わせました。

すると大きな火の中にニコニコ笑った金色に輝く神様が見えたような気がしました。

その家はその年とても幸せなことがありました。新しい家族が増え、お父さんのお給料が上がり、

頂き物もたくさん届き、家庭菜園の野菜がすごくたくさん取れました。幸せが一年中続きました。

お父さんは全てお正月さんのおかげだと来年は立派な門松と鏡餅をお供えしなければといっていました。

 

 

お正月さん・・・・日本神話に登場する大歳神(大年神)の俗名。
          「年」は稲の実りを意味します。新しい年の豊穣を願う農耕神。
          一年の終わりと始まりの神なので死と再生をつかさどる蘇生神ともされる。
          スサノオの息子。

          最近、都市化が進んでいるので年徳神(歳徳神)とも呼ばれ、福の神ともされる。
          方位学にも取り入れられ恵方様とも呼ばれている。
          節分(旧正月)に食べる恵方巻きは恵方様に健康を祈るために行われる行事。

 

ある時、私はクスウミスズリという太平洋の小島に住む小さな神様に出会った。

「そうだな…西の大洋を支配している神が恋をした時の話をしようか」

私は彼の話にとても興味を持って耳を傾けた。

 

遠い、はるか昔のこと、まだこの地球が陸らしい陸と海らしい海に分かれていなかった頃、神様たちがこの地球の創世をしていた時のこと

あるところにとても美しい金色の髪の乙女が小さな湖畔の村に暮らしておりました。

その湖は天変地異において出来たばかりの泥や汚物に汚れた大きな水溜りでした。

ある日のこと彼女はいつもほめられていた美しい金色の髪を一目見てみたくなり、酷く汚れた湖に自分の顔を写してみましたが濁ってよく見えませんでした。

彼女はむっとして湖面をぱっと蹴り上げました。

すると、その酷く汚れた水が透き通り青く澄んだ美しい水に変わって飛び散ったのです。あまりの面白さに湖面をふわふわと軽やかに飛んで歩いて、青く澄んだ湖面を広げていきました。

それを空の高みからのぞき見ていた年老いた大神は、美しい彼女を一目で気に入りやさしく声をかけました。

「美しい御嬢さん。あなたは面白い力を持っているようだ。もしよければ私とともに世界中の水の中を美しい世界へと創生しませんか?」

「面白そうね。よろしくってよ」

彼女は今の平凡な生活から逃げたい一心で、何も考えず嬉しそうに返事をしました。

「では、こちらの世界へいらっしゃい」

大神は空の上からドボンと水の中に飛び込むと彼女に向かってやさしく手招きをしました。

彼女は拾って育ててくれた村の人たちへの思いに後ろ髪を引かれながらも、

これはきっと夢なのだとそっと水面に足をつけてみました。

すると年老いた大神は逃がすものかと彼女の足首をつかんで勢いよく水の中に引き込みました。

「さあ行こう!深い水の底へ。二人だけの永遠の世界へ」

彼女があっけにとられている間に年老いた大神はどんどんと深い水の底へと彼女を運んで行きました。

すると彼女の髪から美しいきらきらとした太陽のような光と真珠のような美しい空気の泡がしゅるしゅると噴き出しひどく汚れた水の中の世界を美しい世界へと一瞬で変えていきました。

「まあ、なんて美しいところなのかしら。私気に入りましたわ」

彼女はあまりの美しい世界に心からそう言いました。

「では、ずっと私とここで暮らしてくれ。貴女に不自由は絶対にさせないから」

と出来たばかりの美しい大粒の真珠を差し出しながら言いました。

帰り方もよくわからないし、元の生活に戻りたくもないし、見た目の悪い年老いた大神の求婚ということもあり、いろいろな想いから彼女は答えを出さずに彼に甘えてしばらく海底で暮らしました。

そんなある日大神は天上界の会議に出席しなければならなくなり、出かけて行きました。

そこで彼女はそっと後をつけて水面に顔を出し周りを見回しました。外の世界は懐かしくとてもよい花のような匂いがしました。彼女が大きく深呼吸すると、空の上から大きな天馬にまたがった美しい金色の髪の美青年が、勢いよく目の前に現れ声をかけました。

「ああ。妹よ。探したよ。こんなところにいたのか。見つからないはずだ」

美青年は実の兄であり空の上から落ちてしまった彼女を必死に探し続けていたというのです。

「さあ。帰ろう。君には大事な仕事があるのだから」

と見たこともないようなとても美しい手を彼女に向かって差し出しました。

彼女は兄のあまりの美しさに見とれて、ついその手をとりました。

するとすごい勢いで天馬が走り、あっという間に風が吹いたかと思うとその場から走り去りました。

海の年老いた大神のことが少しだけ気になりましたが、お返事もしてないことだしと二度とその場所に戻ることはありませんでした。

宮殿に戻ってきた年老いた大神は彼女がいないことに気がつくと、世界中の海の中をくまなく探させました。彼女が海から出て行ってしまったことが分かった大神は、嘆き、憤り、海の底に深い海溝を作り、閉じこもって日がな一日泣きはらしました。

そのたびに海底を大きな音を立てて、毎日毎日揺らしました。

それからというもの海には波が立つようになり、彼の寂しさがあまりにも大きいときには大波を起こしてたくさんの人間を連れ去るようになったんだとさ。

 

クスウミスズリに教えてもらった、美しい女神と海の大神の昔々のお話です。

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